環境安全管理室における環境保全業務.pdf
4页環境安全管理室における環境保全業務 岩原 正一 筑波大学総務部環境安全管理課 〒305-8577 茨城県つくば市天王台 1-1-1 概要 私は環境安全管理室において、実験系廃棄物関連 と労働安全衛生関連の職務に従事しているその実 験廃棄物の業務の中の実験系希薄洗浄排水処理施設 の施設紹介等、実験系希薄洗浄排水(以後実験排水 と略す)関連を中心に業務の紹介をする キーワードキーワード:希薄洗浄排水、処理施設、中水 1.はじめに 筑波大学は昭和48年10月に開学し37年を迎えた が、 開学当初から環境保全を重視した大学であった 昭和49年7月に筑波大学実験原廃液取扱規則及び実 験原廃液管理委員会規定が定められ、全学的実験廃 棄物管理への取組みが始まった 私は昭和55年4月に分析担当技官として筑波大学 に採用され、既に稼動していた実験系希薄洗浄排水 処理施設に流入する実験排水および処理水(中水) の水質測定を担当してきたその後、実験系希薄洗 浄排水処理施設の維持管理等の実験廃棄物について の職務や労働安全衛生の衛生管理者としての職務に 従事してきたその中の実験系希薄洗浄排水関連に ついて紹介する。
2.環境汚染防止と実験排水の効率的再利 用 筑波大学では下水道法、つくば市下水道条例等の 法令によって下水道への排出基準が表1のようにさ だめられている 筑波大学の各実験室では、有害物質を含む廃液は 学内規則に定められた分別にしたがってポリ容器に 貯留するようさだめている実験器具の 2 回目まで の洗浄水も同じポリ容器に貯留し、実験器具の 3 回 目以降からの洗浄水を各実験室における流しに流す ようさだめており、 その流しを 「実験流し」 と呼ぶ 給湯室、手洗い等の生活系の排水が流されるものを 「生活流し」と呼び、その二つを区別しており、そ の排水経路も別々に設置している「生活流し」の 排水が生活系排水系統にて公共下水道へ直接排出さ れるのに対し「実験流し」からの実験系希薄洗浄排 水は、 学内 58 個所のモニター槽を経て実験系希薄洗 浄排水処理施設に流入し、再利用のために処理され るこれを中水化処理と呼ぶ図 1.参照) ( http://jitukan1.sec.tsukuba.ac.jp/shiryou/pdf/osuikijyu n.htm) 表1.汚水排除基準 中地区実験系希薄洗浄排水処理施設には実験排水 の受水槽が 3 槽あり、受入れ、分析、処理を交互に 行うバッチごとの処理を行っている。
図 2.参照) ①.始めに特殊スクリーンに実験系希薄洗浄排水を 通し比較的大きな粒子のSS(浮遊物質量)成分を 除去する ②.その後PAC(ポリ塩化アルミニウム)によって SS成分を凝集させて砂ろ過塔に通水してろ過をす る ③.さらに活性炭塔に通水することによって色、 臭い 等の物質を吸着によって除去する ④.最後に次亜塩素酸ナトリウムを添加して殺菌処 理する 筑波大学技術報告 30 : 13- 16, 2 0 1013図 1. 中地区実験系希薄洗浄排水処理の概念図 筑波大学技術報告 30 : 13- 16, 2 0 1014その処理水は中水と呼び、上水と下水の中間の水 質の水で、トイレの流し水、屋外の散水、実験機器 やクーリングタワーの冷却水等に再利用される 昭和 56 年には砂ろ過塔や活性炭塔の逆洗によっ て発生する汚泥の処理施設も付加された 環境安全管理室では、実験系希薄洗浄排水処理施 設に流入する実験排水と中水の表1に示す項目の水 質測定を法律に定められている頻度で実施している 処理施設から発生する汚泥の溶出試験も実施し、汚 泥処分を外部へ委託して埋め立て処分を行っている。
有害物質含有する実験排水が同処理施設に流入す る事故が頻発したため、同処理施設の水質分析と各 実験棟のモニター槽の水質分析から事故を未然に防 止できる業務工程を構築し、本学の実験廃水が原因 となる環境汚染被害の拡散防止に協力してきた さらに、本学の各建物には中水の再利用化が組み 込まれているため、井水を補助水とする自動供給シ ステムを提案し、中水が不足した場合にも安定供給 できる処理水の効率的再利用を実現した図 3.に 実験排水と中水の送水量の経年変化をしめす 3.環境保全教育 大学は教育機関であるため毎年卒業生を送り出す と共に新入生を迎える上述したように、実験系希薄洗浄排水が原因となる環境汚染被害の防止に努力 してきたが、新入生に環境保全教育を行なわなけれ ば、環境汚染事故を防止することができないこの ような状況から、環境安全管理室では環境保全に関 する活動と共に教育用ビデオとパンフレットの作成 を決定し、私も製作に参加した ビデオは全学生を対象とした総論と専門性の高い 各論に分かれている総論は廃棄物に関する一般論 とモラル向上を目指した学内ルールを解説した日 本語および英語版、中国版が完成している。
また各 論は化学専門編の日本語版と英語版、生物・生化学 編の日本語版が完成している 一方パンフレットは見開き 8 頁で、実験廃棄物の 取扱いなどを中心に必要事項を簡潔にまとめ、実 験・実習を履修しない学生にも解り易い内容となっ ている全学生に周知徹底するため小冊子を新たに 作成したより詳しい「実験系廃棄物取扱いの手引 き」も平成 21 年版の改訂が行われた また、廃棄物処理ばかりでなく試薬管理も重要な 業務となるため、現在環境安全管理室を中心に薬品 管理システムを全学的システムのとして構築した 図 2. 筑波大学中地区実験希薄洗浄排水処理施設 筑波大学技術報告 30 : 13- 16, 2 0 1015050,000100,000150,000200,000250,000300,000350,000400,000123456789 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20流量 m3平成(年)実験排水流入量中水利用量図 3. 筑波大学中地区実験希薄洗浄排水処理施設の排水流入量と中水利用量 3.おわりに これまでご指導いただきました環境安全管理 室長をはじめ大学内関係者にも合わせてお礼申し 上げます。
分析担当を専門とする技官として筑波大学に赴 任したが、環境保全が世界的な規模で求められる時代であったため、それに伴って大学内の業務も 拡大してきたより一層精進し、今後も蓄積した 技術・知識を生かして実験系廃棄物処理に関する 指導・助言を積極的に行ない、筑波大学の教育・ 研究支援に全力で取り組み、環境保全の向上に貢 献したいと考えています Environmental protection work of the Division of Environment and Safety Management Shoichi Iwahara Office of Environmental and Safety Management, Division of Environment and Safety Management, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki, 305-8577 Japan The Division of Environment and Safety Management is engaged in work related to laboratory waste and occupational health and safety. Facilities like the dilute laboratory wastewater treatment facility are discussed along with work related to the treatment of such wastewater. Keywords: the dilute laboratory wastewater; treatment facility; Intermdediate-quality-water 筑波大学技術報告 30 : 13- 16, 2 0 1016。





