凉宫春日的忧郁 日文剧本08.doc

自称、宇宙人に造られた人造人間 自称、時をかける少女 自称、少年エスパー戦隊 それぞれに自称が取れる証拠を 律儀にも俺に見せ付けてくれた おっはよう、キョンくん 三者三様の理由で 三人は涼宮ハルヒを中心に活動してるようだ 早く起きてよ 百光年譲ってそれはいいことにしてみても さっぱり解からないことがある なぜ俺なのだ 宇宙人、未来人、エスパー少年が ハルヒの周りをウヨウヨするのは 古泉曰く「ハルヒがそう望んだからだ」という では俺は？ 何だって俺は こんなけったいなことに巻き込まれているんだ じゃ、行ってきます 俺は１００％純正の謎の力など何もない 普遍的な男子高校生だぞ おっはよう これは誰の書いたシナリオなんだ お前か、ハルヒ なんってね 知ったこっちゃねえや 何故俺が悩まなければならんのだ すべての原因はハルヒにあるらしい だとしたら、悩まなくてはならないのは 俺ではなく、ハルヒのほうだろう 長門も古泉も朝比奈さんも 本人に直接話してやればいいのだ その結果がどうなろうと それはハルヒの責任であって、俺には無関係だ せいぜい走り回ればいいのさ、俺以外の人間がな 谷口、俺って普通の男子高校生だよな あ？どうかな？ 普通の男子生徒は教室で女を押し倒したりしねえだろう しかも俺様的美的ランキングＡマイナーの長門有希と 俺は釈明した 谷口が考えていると思われるストーリーは 妄想夢想完全フィクションである 長門は気の毒にも 文芸部を根城にしてしまったハルヒの被害者であり 彼女の困りあぐねた挙句 俺に相談しに来た 真摯な訴えに同情すること大だった俺は 気の毒の彼女を救うべく ハルヒが帰ったあとの教室で 共々に善後策を協議していると 長門は持病の貧血を起こして倒れ咄嗟に 俺が彼女と床との衝突を防ごうとしたまさにその時 闖入してきたのはお前 谷口である 真に真実とは 明らかになってみればくだらないものであることよな うそつけ ちっ… その嘘話を信じたとしても あの誰とも接点を持ちたがらない 長門有希から相談を持ちかけられた時点で もうお前は普通じゃねえよ そんなに有名だったのか、長門は 何より涼宮の手下でもあるしな お前が普通の男子生徒ってんなら 俺なんかミジンコ並み普通だぜ なあ、谷口 お前超能力を使えるか ああ？ そうか、お前はとうとう 涼宮の毒に冒されてしまいつつあるんだな あんまり近付かないでくれ 涼宮が移る 何で着替えないだ？お前 暑いから いいのよ どうせ、部室に行ったらまだ着替えるから この後掃除当番だし、この方が動きやすい そりゃ合理的だな みくるちゃんの次の衣装何がいい？ バニー、メイドと来たからな、次は… って、次があるのかよ ネコミミ？ナース服？それとも女王様がいいかしら ネコミミにゃ…ナース服が…それとも女… 間抜け面 お前から話を振ったんだろうが 本当、退屈 なるほど、これか 何か解かったんですか いえいえ、別に あれ？これ何です？ 抜かった どうしてあたしの名前がついてるの 何が入ってるの？見せて見せて いや、これはその… なんだ、なんでしょうね きっと何でもないでしょう 嘘っぽいです朝比奈さん、ちょっと離れて ああ、もう いいでしょう、ちょっとだけ ね？ね？お願い 何やってんの？あんたたち あんた、メイド萌えだったの？ 何のことだ？ 着替えるから 好きにしたらいい 着替えるって言ってるでしょう だから？ 出てっけ なんだあいつ 教室でも堂々と着替えをおっぱじめるくせに 手と肩は涼しいけど ちょっと通気性が悪いわね、この衣装 あれ？ 今日は仮装パーティーの日でしたっけ？ 話をややこしくするな みくるちゃん ここ、座って まるで、仲のいい姉妹ですね 三つ編みメイドにしたいだけだろう 結局、普通と言えば普通の毎日だった やりたいことも取り立てて見当たらず 何をしていいのかも知らず 時の流れるままのモラトリアムな生活 当たり前の世界、平凡な日常 あまりの何も無さに物足りなさを感じつつも なに、時間ならまだまだあるさと 自分に言い聞かせて漫然と明日を迎える繰り返し それでも、これはこれで 非日常の香りがして中々悪くなかった クラスメートに殺されそうになったり 灰色の無人世界で暴れる化け物に出会ったりなんぞ そうそうありゃしないだろうしな そうさ、俺はこんな時間が ずっと続けばいいと思っていたんだ そう思うだろう、普通 だが、思わなかったやつもいた 決まっている、涼宮ハルヒだ 何してんだ？ はさみ 明日の図工で使うの いいけどな、一言ぐらい声かけろよ 確信犯か ところで、人が夢を見る仕組みをご存知だろうか睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の二種類があって 周期的に繰り返され 体は眠っているが、脳が軽く活動しているレム睡眠時に われわれは夢を見るわけだ キョン キョン まだ目覚ましは鳴ってないだろう 起きてよ いやだ 起きろってんでしょうが ここ、どこだか解かる？ 目が覚めたと思ったら いつの間にかこんな所にいて 隣であんたが伸びてたのよ どういうこと？ どうしてあたしたち学校なんかにいるの？ 閉鎖空間 ちゃんと布団で寝てたはずなのに なんでこんな所にいるわけ？ それに、空も変 古泉を見なかったか いえ、どうして？ いや、なんとなくだ 取りあえず、学校を出よう どこかで誰かに会うかもしれない あんた、あんまり驚かないのね 驚いてるさ 特にお前がここにいることにな 何これ？ 敷地に沿って、ぐるりと続いてるな ここから出られないってこと？ 怖いならいっそ腕にすがりついてくれよ そっちの方が気分が出る 馬鹿 通じてないみたい だろうとは思ったがな キョン、見て どこなの？ここ 気味が悪い 飲むか 要らない どうなってんのよ、何なのよ、さっぱり解からない ここはどこで、なぜあたしはこんな場所に来てるの？ おまけにどうしてあんたと二人だけなのよ知るものか 探検してくる あんたはここにいて すぐ戻るから こういう所はハルヒらしいな 古泉か や、どうも 遅かったな もうちょっとまともな姿で登場するかと思ってたが それも汲みで、お話しすることがあります 正直いいましょう、これは異常事態です 普通の閉鎖空間なら僕は難なく侵入できます しかし、今回はこんな不完全な形態で しかも、仲間の力を借りてやっとなんです それも長くは持たないでしょう われわれに宿った能力が今にも消えようとしているです どうなってるんだ？ ここにいるのはハルヒと俺だけなのか その通り われわれの恐れていたことが ついに始まってしまったわけです とうとう涼宮さんは現実世界に愛想をつかして 新しい世界を創造することに決めたようです つまり、世界崩壊の危機ですね なんだって？ われわれの組織の上の方は恐慌状態ですよ 神を失ったこちらの世界がどうなるのか 誰にも解かりません 涼宮さんが慈悲深ければ このまま何事もなく存続する可能性もありますが 次の瞬間には無に帰する可能性もあり得ます なんだってまた さあて ともかく、涼宮さんとあなたは こちらの世界から完全に消えています そこはただの閉鎖空間じゃない 涼宮さんが構築した新しい時空なんです もしかしたら、今までの閉鎖空間も その予行演習だったのかもしれませんね そちらの世界は 今までの世界より涼宮さんの望むものに近づくでしょう 彼女は何が望んでいるのか知りようがありませんが さあ、どうなるんでしょうね 俺がここにいるのはどういうわけだ？ 本当にお解かりでないんですか あなたは涼宮さんに選ばれたんですよ こちらの世界から唯一 涼宮さんが共にいたいと思ったのがあなたですとっくに気づいたと思いましたが そろそろ限界のようです このまま行くと あなたがたともう会いそうにありませんね こんな灰色の世界で 俺はハルヒと二人で暮らさないといかんのか アダムとイヴですよ 産めや増やせていいじゃないですか 殴るぞ、お前 冗談です 恐らくですが、その内慣れた世界になると思いますよ ただし、こちらとまったく同じではないでしょうが まあ、そっちに僕が生まれるようなことがあれば よろしくしてやってください 俺たちもそっちに戻れないのか 涼宮さんが望めば、あるいは 可能性は薄いですよね 僕としまてはあなたや涼宮さんと もう少し付き合ってみたかったので 惜しむ気分でもあります ああ、そうそう 朝比奈みくると 長門有希からの伝言を言付かっていました 朝比奈みくるからは謝っておいて欲しいと言われました ごめんなさい、わたしのせいですと 長門有希からはパソコンの電源を入れるようにと それでは こいつはどういう冗談なんだ？ 見えてるとも どうすりゃいい？ 何をだよ 長門 どうしろってんだよ、長門、古泉 キョン、なんか出た なにあれ？怪物？ 蜃気楼じゃないわよね 宇宙人かも それか、古代人類が開発した超兵器が現代に蘇ったとか ちょっと何？ あれさ、襲ってくると思う？ わたしには邪悪なもんだと思えないんだけど 解からん 何なんだろう本当 この変な世界もあの巨人も 元の世界へ帰りたいと思わないか 一生こんなところにいるわけにもいかないだろう 腹が減っても、飯食う場所なんかなさそうだし 不思議なんだけど、なんとかなりそうな気がするのよ どうしてだろう？今ちょっと楽しいなＳＯＳ団はどうするんだ？ お前が創った団体だろう？ ほったらかしいかよ いいのよもう だってほら、あたし自身が とても面白そうな体験をしてるんだし もう不思議なことを探す必要もないわ 俺は戻りたい こんな状態に置かれて発見したよ 俺はなんだかんだ言って 今までの暮らしが結構好きだったんだな アホの谷口や国木田も 古泉や長門や朝比奈さんも そこに消えちまった朝倉を含めてもいい 何言ってんの？ 俺は連中ともう一度会いたい まだ話すことが一杯残ってる気がするんだ 会えるわよ、きっと この世界だって いつまでも闇に包まれてるわけじゃない 明日になったら、太陽だって昇ってくるわよ あたしには解かるの そうじゃない この世界のことじゃないんだ 元の世界のあいつらには俺は会いたいんだよ 意味解かんない あんただって つまんない世界にうんざりしてたんじゃないの？ もっと面白いことが 起きて欲しいと思ってたんじゃないの？ 思ってたとも あのな、ハルヒ 俺はここ数日でかなり面白い目に遭ってたんだ お前は知らないだろうけど 世界はお前を中心に動いていたと言ってもいい お前が知らないだけで 世界は確実に面白い方向に進んでいたんだよ 長門は言った、進化の可能性と 朝比奈さんによると時間の歪みで 古泉に至っては神扱いだ でも、俺にとってはどうなるのか 涼宮ハルヒの存在を俺はどう認識しているのか ハルヒはハルヒであってハルヒでしかない なんてトートロジーで誤魔化すつもりはない ないが 決定的な回答を俺は持ち合わせてなどいない そうだろう 教室の後ろにいるクラスメイトを指して そいつはお前にとって何なのと問われて何と答えりゃいいんだ？ いや、すまん これも誤魔化しだな 俺にとって、ハルヒはただのクラスメイトじゃない もちろん、進化の可能性でも、時間の歪みでも ましてや神様でもない あるはずがない 白雪姫って知ってます？ 何よ 俺、実はポニーテール萌えなんだ 何？ いつだったかお前のポニーテールは 反則的なまでに似合っていたぞ ああ、バカじゃないの？ 何っつう夢見ちまったんだ フロイド先生も爆笑だっつうぜ 未だかつてないリアルな夢 か ここはすでに元の世界ではないとか ハルヒによって創造された新世界なのか だったとして、俺にそんなことを確かめる術はあるのか よ、元気か 元気じゃないわね 昨日悪夢を見たから ほう お陰で全然眠れやしなかったのよ 今日ほど休もうと思った日もないわね そうかい？ ハルヒ 何？ 似合ってるぞ あなたには感謝すべきなんでしょうね 僕のアルバイトもしばらく終わりそうにありません まあ、この世界が昨日の晩に 。