植木久行:《增补俳谐岁时记刊草》所引汉籍校读记(一).pdf
18页序文 江 ? 末期の嘉永四年(一八五一)、 ? 亭 ? ? せいらん は、曲亭(瀧澤) 馬琴撰『俳諧 ? 時記』を大幅に ? 補改訂した俳諧季寄、 『 ? 補俳諧 ? 時記 栞 しおり ? ぐさ 』を刊行したこの『栞 ? 』は、解 ? の 充實と檢索の ? 便さ(いろは順)から、明治・大正期、 ? ? に刊行されている ? 年では堀切實校 ? 『 ? 補俳諧 ? 時記栞 ? 』(岩波書店、岩波文庫、二〇〇〇年、二冊)があり、初めて 懇切な脚 ? が付され、 ? 容の理解に多大の便宜を與えている 本稿は堀切實校 ? 本の ? 果を參照しつつ、この代表 ? な ? 世 ? 時記『栞 ? 』に引かれて、季語・季題の解 ? 等に用いら れた ? ? を ? 讀した校讀記である堀切校 ? 本の凡例中の指 摘、 「引用の仕方は、今日の校訂方針とは ? なり、かなり大 雜把なものである」を充分考慮しつつ、引用 ? ? の典據と文 意の理解に努力を傾 ? した江 ? 時代の引用 ? ? には ? 字・ ? 字等が多いとして放置するのではなく、重 ? な書 ? に對し ては充分な校訂がなされてしかるべきである。
この『栞 ? 』 は、 ? 知のごとく ? 現代の代表 ? な ? 時記、改 ? ? 版『俳諧 ? 時記』( ? 五冊、一九三三年)の古書校 ? や、角川書店 ? 『圖 ? 俳句大 ? 時記』( ? 五冊、一九六四~六六年)の考證にも 引用され、大きな影 ? 力を持った ? 時記であるこの校訂作 業を ? して、 ? 時記(俳諧季寄)の解 ? に用いられた書 ? の 實態も、かなり明らかになろう なお ? ? が ? 補した解 ? 中の ? ? は、じつは ? ? みずから ? 査したものではなく、ほとんどみな天明三年(一七八三) に刊行された三余齋麁文 そ ぶん 撰『 實年浪 ? か じつとしなみぐさ 』(以後、 『年浪 ? 』と 『 ? 補俳諧 ? 時記栞 ? 』 ? 引 ? ? 校讀記 俳諧の字義・春の部(一) 植木久行 略稱)に基づいているこの點は、すでに井本農一『季語の ? 究』 「第二章俳諧 ? 時記の發 ? 」のなかで指摘されてい る (1) が、本稿では、 ? 世俳諧季寄の季語・季題の解 ? に用い られた ? ? の ? 體相の把握を ? 眼としており、 『栞 ? 』に引 く ? ? がほとんど『年浪 ? 』からの孫引きであるとしても、 江 ? 期の季語・季題の解 ? に用いられた ? ? であることには、 少しも變わりないからである。
『栞 ? 』中に見える ? ? に對 する ? 略な解題は、 「 『 ? 補俳諧 ? 時記栞 ? 』 ? 引 ? ? 考」(弘 ? 大學人文學部『人文 ? 會論叢』 [人文科學篇]第二一號、二〇〇 九年二 ? ? 收)のなかで發表する 【 ? ? 校讀記】 『栞 ? 』の底本は、現在のところ最良の堀切校 ? 本(岩波 文庫)を用いた文意の把握に支障がない場合は、文字の ? 同に言 ? せず、引用 ? ? の卷數や篇名のみを記したまた 【】は書中に引かれた書 ? を表す堀切校 ? 本の脚 ? や出 典一覽( ? ? の部)も隨時參照したが、いたずらに ? 從する ことはしていないまたその脚 ? 等の補正が本稿第一の目 ? ではないため、 ? りを一々指摘してはいない本稿を參照す れば、問題點の大 ? がおのずからわかることだからである なお引用文中の訓點やルビを省いたところがある 俳諧の字義 ●一二頁 [史記滑稽傳] ↓ ? ? ・司馬 ? 撰『史記』卷一二 六、滑稽列傳 [正字 ? ] ↓ 明末・張自烈撰『正字 ? 』酉集上 【 ? 文】 ↓ 後 ? ・許愼撰『 ? 文解字』(大徐本)卷三上。
[正字 ? ](俳…) ↓ 『正字 ? 』子集中 [隋書] ↓ 『隋書』卷五八、侯白傳 ●一三頁 [世 ? 新語補] ? ↓ 明・王世貞撰?『世 ? 新語補』 排 ? 篇下、 「侯白好俳謔」の條の ? ? 引『隋書』(秦鼎『世 ? 箋本』卷一八など)ちなみに『世 ? 新語補』 「侯白好俳謔」 の條は、明・何良俊撰『何氏語林』卷二七、排 ? 篇に基づく [開卷一笑]七之卷 ↓ 明・李贄 りし 撰『開卷一笑』(屠 ? 校)下 卷(下集)之十四、 「侯白 ? 謔」の條に、 「侯白好俳諧…」 と見える 春之部 ●二一頁 [ ? 書律 ? 志] ↓ 後 ? ・班固ら撰『 ? 書』卷二一 上、律 ? 志上ただし、 わりの「日行東陸、謂之春」は、 『増補俳諧歳時記栞草』所引漢籍校読記(植木) 2 1 3 『 ? 書』には見えない本條はおそらく、明末・陳仁錫 ちんじんせき 纂輯 の大型 ? 書『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・春などに基づく すでに ? べたごとく、 『栞 ? 』 ? 引 ? ? の直接の典據は、ほ とんど ? て麁文撰『年浪 ? 』であり、 ? り( ? 字・ ? 字等も 含む)も踏襲する。
ここもその一例[①―1] (2) 本稿では、 『栞 ? 』 ? 引 ? ? (ほぼ『年浪 ? 』 ? 引 ? ? )の原據を可能な 限り探求する以下、問題點が生じた場合にのみ、直接の典 據である『年浪 ? 』に言 ? するちなみに「日行東陸、謂之 春」の語は、北宋の ? 書『太 ? 御覽』卷一九、春中の條や、 南宋・高似孫『 ? 略』卷六、 ? 陸の條に、 『續 ? 書』律 ? 志 として見える 『續 ? 書』は、西晉・司馬彪撰『續 ? 書』(後 ? 時代の ? 史書)東陸は、太陽がめぐる東方七星宿の ? 域を 指す 太 ? たいかう [禮 ? 令]註 ↓ 元・陳 ? こう 撰『禮記集 ? 』 ? 令篇 「皆 此義」まで引用中の「木官之 ? ? 、繼天立極生、有功 ? 於 民、 」は、 「木官之臣 ? ? 繼天立極、生有功 ? 於民 」の ? り 『栞 ? 』の引用ミスである 『年浪 ? 』 [①―1]は正し い 勾芒[ ? 令] ↓ 『禮記』(卷六) ? 令篇 ? 天[釋名] ↓ 後 ? 末・劉煕 りゆうき 撰『釋名』釋天 「氣始發、 色 ? 々也」は、 「春曰 ? 天、陽氣始發、色 ? 々也」とすべき ところ。
從って「 ? 天」の ? 明「春の天を云」も、 「春を云」 に訂正すべし 東君[郊祀記] ↓ 『 ? 書』卷二五上、郊祀志上 ? 陽[爾 ? ] ↓ 『爾 ? 』釋天 韶光[ ? 律 ? 志] ↓ 『 ? 書』律 ? 志には見えない 「景曰 媚景・韶景」は、 『梁元 ? 纂 ? 』( ? ・徐堅ら撰『初學記』卷三、 春など ? 引)の語であろうこの ? りは馬琴撰『俳諧 ? 時記』 (以下、馬琴『 ? 時記』と略稱)に見え、それはまた『年浪 ? 』 [①―2]に由來する 「韶美也」以下は、 『年浪 ? 』の語 ●二二頁 [字彙] ↓ 明・ ? 膺祚 ばいよう そ 撰『字彙』辰集、正の條 本條の最後まで引用中の「後生」は「後世」の ? りその 他、文字もかなり改變されているが、 『年浪 ? 』 [①―3]に 據る 「後生」もその ? りを襲ったもの 王春 ? [左傳] ↓ 『春秋左氏傳』隱公元年の條 「春王正 ? 」(春、王の正 ? )は、隱公元年の「經」の文續く「 ? 正 ? 」が、 「傳」(解 ? )にあたる魯國の ? が ? 王の定めた ? を用いていることを示し、 「 ? の正 ? 」は ? ? の正 ? を意味 する。
太簇 ママ [ ? 令] ↓ 『禮記』 ? 令篇 【高誘 】 ↓ ! ? ・淮南 中國詩文論叢第二十七集 2 1 4 王劉安撰『淮南子』時則訓に見える、後 ? ・高誘の ? この 特 ? な取り合わせは、 『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・ ? 數の 條に見え、それを利用したものちなみに ? 令篇の「太簇」 は「太蔟」 、高誘 ? の「簇簇也」は「蔟簇也」の形訛 『年浪 ? 』 [①―4]の ? りを襲う 立春[ ? 令廣義] ↓ 明・馮應京 ふうおうけい 撰、明・戴任 ? 釋『 ? 令廣 義』卷五、正 ? 令・ ? 令の條 【 ? 天玉衡六問】は、 『 ? 文 ? 聚』(汪紹楹校本)卷三、春の條には、 「孝經 ? 曰、 ? 天七衡 六間」に作る 「春无始至」を「春始无 な くして至る」と訓 むのは ? りこの「无」は、 「無」ではなく、 「 ? き 」(氣の古字) の形訛 『年浪 ? 』は「 ? 」の字に作りながら、 ? 解して 「無」の意味に取る 『栞 ? 』は、その ? りを踏襲して、字形 までも改めたのであるここは「春氣始至」(春氣始めて至る) 意 雨水[同上] ↓ 『 ? 令廣義』卷五、正 ? 令・ ? 令の條。
孟春[元 ? 纂 ? ] ↓ 『梁元 ? 纂 ? 』( 『初學記』卷三、春など) 陬 ? [潛確 ? 書] ↓ 『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・正 ? の 條 ●二三頁 ? 正[ ? 令廣義] ↓ 『 ? 令廣義』卷五、正 ? 令・ 事文の條 「爲 ? 首」まで 「仍有 ? 」の訓は「仍 より て有 ? 」で はなく、 「有 ? ( ? の王 ? )に仍 より て(從って)」とすべきであろ う 『年浪 ? 』 [①―6]が一二點を ? としたことに氣づかず、 ? りを襲ったもの 上春[元 ? 纂 ? ] ↓ 『梁元 ? 纂 ? 』( 『初學記』卷三、春など) [明詩] ↓ 未詳馬琴『 ? 時記』に見える ●二四頁 [潛確 ? 書] ↓ 『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・二 ? の條同文は『初學記』卷三、春にも見える 夾鐘[ ? 令] ↓ 『禮記』 ? 令篇 【高誘 ? 】 ↓ 『淮南子』 時則訓本條は『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・ ? 數の條に據 る ? 蟄[ ? 令] ↓ 『禮記』 ? 令篇 ? ↓ 元・陳 ? 撰『禮記集 ? 』 春分[ ? 令廣義] ↓ 『 ? 令廣義』卷六、二 ? 令・ ? 令の條。
仲春[元 ? 纂 ? ] ↓ 『梁元 ? 纂 ? 』( 『初學記』卷三、春など) 陽中[ ? 令廣義] ↓ 『 ? 令廣義』卷四、春令・文言の條 【 ? 志】 ↓ 『 ? 書』卷二一上、律 ? 志上 如 ? ・令 ? [纂 ? ] ↓ 『梁元 ? 纂 ? 』( 『初學記』卷三、春な ど) 「二 ? 爲仲春」の部分のみ本條 ? 體は、 『潛確居 ? 書』 卷四、 ? 時部・二 ? 〈仲陽〉の條に據るただし[纂 ? ]の 仲春を「仲陽」に作る 『年浪 ? 』 [③―2]も『潛確居 ? 書』 『増補俳諧歳時記栞草』所引漢籍校読記(植木) 2 1 5 と同じつまり「仲春」の文字は、 『栞 ? 』の改變である ●二五頁 [潛確 ? 書] ↓ 『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・三 ? の條 姑洗[ ? 令] ↓ 『禮記』 ? 令篇 【高誘 ? 】 ↓ 『淮南子』 時則訓( 『呂氏春秋』季春紀、高誘 ? も同じ)本條は『潛確居 ? 書』卷四、 ? 時部・ ? 數の條に據る ? 明[ ? 令廣義] ↓ 『 ? 令廣義』卷七、三 ? 令・ ? 令の條 「爲 ? 明」まで ? 雨[同上] ↓ 『 ? 令廣義』卷七、三 ? 令・ ? 令の條。
●二六頁季春[字彙] ↓ 『字彙』寅集、季の條 竹秋[廣韵 ? ] ↓ 明・方 ? 撰『廣韻 ? 』卷三、下 ? 十一尤 の條 ? ? へいげつ [玉燭寶典] ↓ 本條 ? 體は『年浪 ? 』 [④―2](馬琴 撰『 ? 時記』も典據は同じ四時堂其諺撰『 ? 訂滑稽雜談 (3) 』卷五、 「三 ? ? 名」も同じ)に據るが、現存の隋・杜臺卿 と だいけい 撰『玉燭寶 典』には見えない 「三 ?。





