
日本麻醉药和麻醉关联产品使用手册3publication4-5[1].pdf
25页麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 第 3 版 Ⓒ 2009 社団法人日本麻酔科学会 122麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイ ドライン 第3版 Ⅴ 局所麻酔薬ジブカイン塩酸塩 (dibucaine hydrochloride) 123テ トラカイン塩酸塩 (tetracaine Hydrochloride) 124ブピバカイン塩酸塩水和物(bupivacaine hydrochloride hydrate) 125プロカイン塩酸塩 (procaine hydrochloride) 127メ ピバカイン塩酸塩 (mepivacaine hydrochloride) 129リ ドカイン塩酸塩 (lidocaine hydrochloride) 131レボブピバカイン塩酸塩(levobupivacaine hydrochloride) 134ロピバカイン塩酸塩水和物(ropivacaine hydrochloride hydrate) 137今回の第3版改訂から, 局所麻酔薬の表記において, 塩酸塩の部分を末尾に付け薬物固有の名称から始まる表記と した.従来の表記は括弧書き と して残してある. た と えば, 「塩酸リ ドカ イ ン」 は 「リ ドカ イ ン塩酸塩 (別名:塩酸リ ドカ イ ン) 」 という表記に改められている. これによ り , 索引がよ り簡便になる こ と と, 電子媒体での検索語の選び方が容易になる と考える. また, 局所麻酔薬が専門領域で用いられる場合や他の薬理効果を期待して用いられる場合は, その領域の記載箇所が参照でき る よ う に記載されている. 前者の例と しては, ブピバカ イ ン塩酸塩水和物では産科麻酔薬の 「ブピバカ イ ン塩酸塩水和物」 が, 後者の例と しては リ ド カイ ン塩酸塩ではペイ ン7. 抗不整脈薬の 「リ ドカ イ ン塩酸塩」 が参照項目 と して記載してある. 電子媒体で用いる場合はその参考項目に直接ジ ャ ンプで き る よ う になっている.局所麻酔薬の内容と しては, 今回から レボブピバカ イ ン塩酸塩が追加と なった. 第2版に掲載されていた局所麻酔薬で臨床使用される機会が少ない薬物について も検討を行ったが, 教育的配慮から引き続き掲載する こ と と した.第 3 版 2009.12.25 (局-1)123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142434445464748麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 第 3 版 Ⓒ 2009 社団法人日本麻酔科学会 123第 3 版 2009.12.25 (局-2)Ⅴ 局所麻酔薬 ★ジブカイン塩酸塩 dibucaine hydrochloride (別名:塩酸ジブカイン)1) 薬理作用(1) 作用機序◆神経軸索の細胞膜のナ ト リ ウムチャ ネル と結合し, ナ ト リ ウム イ オンの細胞内への流入を阻止し, 脱分極が起き ないよ う にする こ と で, 可逆的に神経伝導を遮断する.(2) 薬 効◆ジブカ イ ンはア ミ ド型の長時間作用性の局所麻酔薬で, 他のア ミ ド型はアニ リ ドであるが, 本薬のみキニ リ ン誘導体である. 分子量343,pKaは8.5. 脂質/緩衝液分配係数と蛋白結合率は大きいと考え られている. 相対力価はプロ カ イ ンの約15倍で, 作用発現は遅い1).(3) 薬物動態◆代謝は肝臓で行われ, ア ミ ド型局所麻酔薬の中で最も排泄が遅い2).2) 適応本邦では, お も に脊髄く も膜下麻酔薬と して使用される3). その他, 表面麻酔, 浸潤麻酔, 伝達麻酔, 仙骨硬膜外麻酔な どで使用する.3) 使用法(1) 脊髄く も膜下麻酔◆0.3%ジブカ イ ン塩酸塩溶液と,0.12%パラ ブチルア ミ ノ安息香酸ジエチルア ミ ノエチル塩酸塩添加0.24%ジブカ イ ン塩酸塩溶液が, 高比重液と して, 脊髄く も膜下麻酔に使用されている.0.3%ジブカ イ ン塩酸塩溶液の通常使用量は, サ ドルブロ ッ クでは1~1.6mL, 低位脊髄く も膜下麻酔では2.0~2.2mL, 高位脊髄く も膜下麻酔では2.2~2.4mL程度である. 神経毒性が強いため, 麻酔域が不十分な場合の追加投与には注意が必要である.(2) その他◆ク リ ーム, 軟膏では0.25~1%, 坐薬では2.5%の濃度で使用される.4) 注意点(1) 基本的注意点◆神経毒性4), 中枢神経系に対する毒性5)が強く , 米国では注射薬と しては使用されず, 皮膚への軟膏や坐剤と してのみ使用されている6). 近年になって も本薬によ る馬尾症候群の症例報告が散見7,8)されるので注意が必要である.(2) 禁 忌◆重篤な出血, シ ョ ッ ク状態, 穿刺部位またはその周辺の炎症, 敗血症, 本剤に対し過敏症の既往のある患者, 中枢神経系疾患,髄膜炎, 脊髄癆, 灰白脊髄炎な どの患者(3) 副作用①低血圧9), テ ト ラ カ イ ン塩酸塩によ る脊髄く も膜下麻酔と比べて, 平均動脈圧が有意に低下した10)という報告がある.②徐脈③馬尾症候群7,8)④麻酔手技によ る合併症◆神経損傷, 背部痛, 硬膜穿刺後頭痛, 硬膜外血腫, 硬膜外膿瘍(4) 高齢者◆一般に高齢者では生理機能が低下しているので, 患者の状態を観察しながら慎重に投与する.(5) 妊 婦◆妊娠中の投与に関する安全性は確立していない. 妊娠末期は, 仰臥位性低血圧を起こ しやす く , 麻酔範囲が広が り やすい.(6) 小 児◆小児に対する安全性は確立していない.5) 参考文献(本ガイ ド ラ イ ンにおいて, 文献のエビデンスの質を次の基準によ って評価している ; Ⅰ : ラ ン ダム化比較試験, Ⅱ-a:非ラ ン ダム化比較試験, Ⅱ-b:コ ホー ト研究または症例対照研究, Ⅱ-c:時系列研究または非対照実験研究, Ⅲ :権威者の意見, 記述疫学) 1) 花岡一雄 : 局所麻酔マニュアル, 東京, 真興交易医書出版部,1998, pp12-13 (Ⅲ) 2) Stoelting RK : Pharmacology and Physiology. In Anesthetic Practice, 2nd ed, Philadelphia, J.B. Lippincott Company, 1987, pp 155 (Ⅲ) 3) 佐伯 茂, 鈴木 太, 小川節郎, 他 : ネオペルカミンSの臨床薬理学的調査. 新薬と臨床1997 ; 46 : 213-226 (Ⅱ-c) 4) 小川節郎, 三国悦子, 中村 卓, 他 : ウサギ迷走神経に対する局所麻酔薬ジブカインの神経毒性. 麻酔 1998 ; 47 : 439-446(動物実験) 5) Cousins MJ, Bridenbaugh PO : Neural blockade. In Clinical Anesthesia and Management of Pain, 3rd ed. Philadelphia, Lippin- cott-Raven, 1998, p106 (Ⅲ) 6) Brunton LL, Lazo JS, Parker KL : Goodman 51 : 1151-1154(症 例報告) 8) 伊福弥生, 岩垣圭雄, 入江 潤, 他:ジブカインによる脊髄く も膜下麻酔後に馬尾症候群を来した3症例.麻酔 2004 ; 53 : 396-398(症 例報告) 9) Roman DA, Adriani J : Nupercaine-glucose for spinal anesthesia : results of over 5000 clinical administrations. Anesthesiology 1949 ; 10 : 270-279(Ⅱ-a ) 10) Rocco MJ, Francis DM, Wark JA, et al : A clinical double-blind study of dibucaine and tetracaine in spinal anesthesia. Anesth Analg 1982 ; 61 : 133-137(Ⅰ)1234567891011121314151617181920212223242526272829303132333435363738394041424344454647麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 第 3 版 Ⓒ 2009 社団法人日本麻酔科学会 124第 3 版 2009.12.25 (局-3)Ⅴ 局所麻酔薬 ★テ トラカイン塩酸塩 tetracaine hydrochloride (別名:塩酸テ トラカイン)●Ⅸ 産科麻酔薬 の 「テ トラカイン塩酸塩」 の頁へ1) 薬理作用1~3)(1) 作用機序・薬効◆テ ト ラ カ イ ンはア ミ ノエステル型の長時間作用性の局所麻酔薬である. プロ カ イ ン よ り効力が約10倍強く , 神経毒性も強い.(2) 薬物動態◆蛋白結合率は75.6%で長時間作用性である.pKaは8.39と プロカ イ ンに次いで高いため, 作用発現時間が遅く , 太い神経幹では15分もかかる こ とがしばしばある.血清中のプロカ イ ンエステラーゼによ って加水分解されおも に腎よ り排泄される. しかしその分解速度は, 他のエステル型局所麻酔薬に比べ遅い (プロ カ イ ン よ り4~5倍遅い) ため, 局所麻酔薬中毒を起こ しやすい.2) 適応脊髄く も膜下麻酔, 硬膜外麻酔, 伝達麻酔, 浸潤麻酔, 表面麻酔に適応があるが, 作用発現が遅く , 必要量が多く なるため, 脊髄くも膜下麻酔と表面麻酔で使用される こ とが多い2).3) 使用法(1) 調製法◆テ ト ラ カ イ ンは, 粉末結晶20mgを溶解して脊髄く も膜下麻酔に使用するのが一般的である. 溶媒の量や比重を変える こ とで種々の濃度や比重の溶液を調製でき る. さ らに, 溶媒を局所麻酔薬にする こ とで, 作用発現が早く 作用時間が長い溶液をつ く る こ とも で き る. 歯科表面麻酔用の溶液 (6%溶液) が市販されている. 海外では4%塗布剤も市販されている4). テ ト ラ カ イ ン塩酸塩の各種溶媒溶液の密度等は次の通り である5).(2) 伝達麻酔◆0.2%. テ ト ラ カ イ ン と して通常成人には10~75mgを使用する. 溶媒と して局所麻酔薬を使用する こ と も ある.(3) 脊髄く も膜下麻酔◆0.1~1.0%.4mL以上の溶液 (5~10%ブ ドウ糖溶液, 生理食塩水, 脳脊髄液, 蒸留水, 局所麻酔薬6)) に溶かして通常0.5%以下の濃度で使用する. 麻酔域の広が り にはさ ま ざまな因子が関与するため, 使用量のみでその広が り は規定でき ないが, 一般に低位脊髄く も膜下麻酔では10mg程度, 高位脊髄く も膜下麻酔では12~16mg程度が使用される3).4) 注意点異常エステラーゼの患者や血清エステラーゼの減少している患者では注意して投与する1). 最大安全使用量は100mg(ア ド レナリ ン添加で150mg) , 脊髄く も膜下麻酔では20mgである.5) 参考文献(本ガイ ド ラ イ ンにおいて, 文献のエビデンスの質を次の基準によ って評価している ; Ⅰ : ラ ン ダム化比較試験, Ⅱ-a:非ラ ン ダム化比較試験, Ⅱ-b:コ ホー ト研究または症例対照研究, Ⅱ-c:時系列研究または非対照実験研究, Ⅲ :権威者の意見, 記述疫学。